またもやユーチューブで間違った解釈の下、動画をアップしているものを見つけました。この動画の主と私は面識がありますし、どうしようか迷ったのですが、やはり間違っていることを広めることは宜しくないとの、私の信念を貫き、ここに解説させていただきます。予めお伝えしておきますが、私は別に喧嘩をしたいわけでもなく、動画の主の技量をどうこうと批判するわけではありません。あくまで正しい知識を皆様に知って頂きたくこの記事をしたためております。 動画内での解説「燕返しとは袈裟斬りで斜め下に斬り落とした時に、残った藁を斬り上げて返す(斬る)技です。袈裟斬りで藁を残すのが残し技の中で最も難しいです。わざと刀を途中で回転させて、しゃくらせて斬ると、比較的袈裟斬りでも残りやすいですが、結構ドンとかバチンとか大きな音がしてですね、刀が曲がる原因となりますので、当会ではしゃくらせた場合は燕返しが斬れたとはみなしておりません。」 まず、動画アップ主に強く伝えたいのは、藁と藺草を同一呼称しないでもらいたいということ。これ、本当に大切なのです。実は私、数年前までは友人である渓流詩人氏が、やたらと自身のブログの中で、畳表を巻いたものを巻藁と呼ぶなと言っているのを見て、正直どうでもいいじゃない?と思っていました。この感覚、皆様にもあるのではないでしょうか?これ、絶対に是正しないといけない重要案件です。私が藁と藺草を完全に別呼称すべきと強く感じたのは、ギネス世界記録でおなじみのギネス社(本社)が、稲藁と藺草の違いを理解しようとされない姿を見てからでした。以前にもお伝えしたと思いますが、植物学的にも両者は異なる物であり、親戚にも当たりません。完全に別物です。形状も異なれば斬った際の手応えも異なります。 単に一回だけ斬るなら稲藁はとても簡単ですが、連続して斬ろうとするとこれがまたとても難しいのです。藺草(畳表)は未熟な者が斬るには少し難しさがありますが、連続して斬るのは割りと簡単なのです。それは両者の腰の強さと、糸で細かく編まれているかどうかに原因があります。ある程度腰がある物は、若干の刃筋の狂いがあっても、それなりに連続して斬ることができますが、腰が無い稲藁の場合は傾いたり、ばらけたりして連続して完全に両断することが非常に難しいのです。 これほど両者が異なるものであるにも関わらず、我々日本人自身が畳表(以降巻茣蓙と表記します)を巻藁と誤呼称するため、現在、刀を用いた試斬系ギネス記録はめちゃくちゃになっています。本来は稲藁を用いることとルールにある一分間速斬りも、斬りやすい藺草製ビーチマットが外国人によって用いられ、ルール無視のギネス記録があろうことかギネス社によって認定されてしまっています。 私はこれに関し何度もギネス日本支社を通じてギネス本社に直談判しましたが、どれだけ解りやすく資料を提出しても、それは認められませんでした。故に昨年支援者の御助力の下、私が国産本稲藁を用いて樹立した、本物の稲藁仮標一分間速斬りは幻の記録となってしまいました。※ギリシャ人が斬り易い中国製藺草ビーチマットを使って樹立した記録が73。昨年私がルールにのっとり樹立した記録は72でした。本稲藁仮標での一分間速斬りは事実上私の72回が本来ですとギネス世界記録として認定されなければいけないものです。 ということで、稲藁仮標は巻藁、畳表仮標は巻茣蓙と正
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